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ITパスポート
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体系学習

プロジェクトを計画し、進め、終えるまで

プロジェクトの特徴から、WBS、スケジュール、リスク、進捗管理までを一本の流れで理解する。

対象資格:ITパスポート / 基本情報技術者試験
目安時間:30分

このページで理解できること

  • 定常業務とプロジェクトの違いを説明できる
  • WBSが作業を管理可能な単位へ分解するためのものだと説明できる
  • ガントチャートとアローダイアグラムの用途を区別できる
  • 回避・軽減・転嫁・受容という代表的なリスク対応を区別できる
  • FEでは五つのプロセス群と十の対象群の役割を整理できる
  • FEではEVMのPV・EV・ACから進捗とコストの状態を読み取れる

ITパスポート:プロジェクトの特徴と基本的な進め方を理解し、WBS、ガントチャート、アローダイアグラム、ステークホルダ、代表的なリスク対応を目的から区別できる状態を目標にする。

プロジェクトマネジメントは、予定表を作るだけの作業ではありません。達成したい目標を定め、必要な作業を分解し、時間・費用・品質・資源・リスクなどを調整しながら、期限のある取り組みを完了へ導く活動です。このページでは、プロジェクトの開始から終結までを一つの流れとして整理します。

まずはプロジェクト全体の流れ

個々の用語を、次の流れのどこで使うかに結び付けます。

  1. 目標と体制を定める

    何を達成するプロジェクトか、主要なステークホルダや責任者は誰かを明確にします。

  2. 作業を分解する

    スコープを定め、WBSなどで必要な作業を管理可能な単位へ分解します。

  3. 時間・費用・資源を計画する

    作業順序、期間、担当、必要資源、予算などを計画します。

  4. リスクへ備える

    起こり得る事象を特定・評価し、回避・軽減・転嫁・受容などの対応を考えます。

  5. 実行し、実績を管理する

    計画と実績の差を確認し、必要な変更や是正を行います。

  6. 成果を引き渡して終結する

    成果や残課題を確認し、教訓を残してプロジェクトを終結します。

1. プロジェクトは「期限と独自の目標をもつ取り組み」

日々繰り返す定常業務とは、目的と終わり方が異なります。

プロジェクトは、特定の目標を達成するために開始され、終了条件をもつ取り組みです。新システム導入、新製品開発、拠点移転などのように、毎回まったく同一ではない成果を目指します。

一方、定常業務は、組織の活動を継続するために繰り返し実施されます。月次請求や日常監視のように、終了そのものを目的としない活動が代表例です。

プロジェクトマネジメントでは、目標を達成するためにスコープ、時間、コスト、品質、資源、リスク、コミュニケーションなどを相互に調整します。

1. プロジェクトは「期限と独自の目標をもつ取り組み」の比較表
観点プロジェクト定常業務
期間開始と終了がある継続的に反復する
成果独自性のある目標・成果を目指す既定の業務やサービスを継続する
管理目標達成までの制約や変更を調整する安定した反復・改善を重視する

2. 立ち上げ・計画・実行・管理・終結をつなげる

計画を作って終わりではなく、実行中の変化を管理して完了まで導きます。

開始時には、目的や主要な前提、責任者などを明らかにします。プロジェクト憲章は、プロジェクトを正式に立ち上げるための代表的な文書です。

計画では、何を作るかだけでなく、作業、スケジュール、コスト、資源、品質、リスク、コミュニケーションなどを具体化します。

実行中は実績を記録し、計画との差や新たなリスクを確認します。変更が必要なら影響を評価した上で管理し、無制限に要求を増やさないことが重要です。

終結では成果物の引渡しや残課題の確認を行い、次の活動に生かせる教訓を整理します。

3. WBSで「やるべき作業」を分解する

作業を見える大きさまで分解すると、見積り・担当・進捗管理につなげやすくなります。

スコープは、プロジェクトで実施する作業や生み出す成果の範囲を表します。範囲が曖昧なままだと、必要な作業の抜けや、予定外の追加が起きやすくなります。

WBSはWork Breakdown Structureの略で、プロジェクトで必要な作業を階層的に分解して整理する方法です。下位へ分解するほど、担当や期間、コストを見積もりやすくなります。

FEでは、管理可能なまとまりであるワークパッケージや、承認されないままスコープが徐々に拡大するスコープクリープも関連付けて理解します。

WBSはスケジュールそのものではありません。まず『何をするか』を分解し、その作業順序や期間を基にスケジュールを組み立てます。

4. ガントチャートとアローダイアグラムは見るものが違う

期間を見たいのか、作業の依存関係を見たいのかで使い分けます。

ガントチャートは、縦に作業、横に時間を取り、各作業の開始・終了や進捗を棒で表す方法です。『いつ何を行うか』を直感的に確認しやすいのが特徴です。

アローダイアグラムなどのネットワーク図は、作業の前後関係や依存関係を表し、どの作業の遅れが全体日程へ影響するかを分析するのに向きます。

クリティカルパスは、開始から終了までの経路のうち所要時間が最も長く、通常はその遅れがプロジェクト全体の完了時期へ直接影響する経路です。

マイルストーンは、主要な完了点や判断点を示す節目です。作業そのものの期間を表すものではありません。

4. ガントチャートとアローダイアグラムは見るものが違うの比較表
手法・用語主に見るものポイント
ガントチャート作業と時間の対応開始・終了や進捗を把握しやすい
アローダイアグラム作業の順序・依存関係ネットワークとして日程を分析しやすい
クリティカルパス全体日程を左右する経路経路上の遅れに注意する
マイルストーン重要な節目主要な完了点・判断点を示す

5. リスク対応は「起きた後」ではなく事前に考える

発生可能性と影響を見ながら、対応方法を選びます。

リスクは、将来発生するかどうか確定していない事象で、発生するとプロジェクト目標へ影響します。まずリスクを特定し、発生可能性や影響を評価して優先順位を決めます。

ITパスポートでは、脅威となるリスクへの代表的な対応として回避・軽減・転嫁・受容を区別できることが重要です。

どの対応を選んでもリスクが必ずゼロになるわけではありません。対応後に残るリスクも監視し、状況の変化に応じて見直します。

5. リスク対応は「起きた後」ではなく事前に考えるの比較表
対応考え方例
回避原因となる活動自体をやめ、脅威をなくす高リスクな方式の採用を取りやめる
軽減発生可能性や影響を小さくする事前テストを増やして障害確率を下げる
転嫁影響への対応責任・負担を第三者へ移す保険や契約で一部の損失負担を移す
受容リスクを認識した上で受け入れる発生時の予備費だけ確保して進める

ITパスポートではここまでを確実に

  • プロジェクトと定常業務の違いを説明できる
  • WBSは作業を階層的に分解するものだと説明できる
  • ガントチャートとアローダイアグラムの用途を区別できる
  • クリティカルパスの意味を説明できる
  • 回避・軽減・転嫁・受容を具体例から見分けられる
  • ステークホルダがプロジェクトに影響を与える/受ける関係者であることを理解している

最後に管理の流れへ戻す

  • 目標とステークホルダを明確にする
  • スコープを定め、WBSで作業を分解する
  • 依存関係と期間からスケジュールを作る
  • リスクと対応を事前に考える
  • 実績と計画の差を継続的に確認する
  • 必要な変更を管理し、成果を引き渡して終結する

用語を個別に暗記するより、『何を決める道具か』『どの差を確認する指標か』まで結び付けると、状況問題でも判断しやすくなります。

重要用語

プロジェクトマネジメント確認クイズ

プロジェクトの特徴として最も適切なものはどれか。
プロジェクトで必要な作業を階層的に分解し、管理しやすくするために用いるものはどれか。
縦軸に作業、横軸に時間を取り、各作業の期間や進捗を棒で示すものはどれか。
クリティカルパスの説明として最も適切なものはどれか。
損失の一部を保険契約によって第三者へ負担してもらうリスク対応はどれか。
承認されないまま要求や作業範囲が徐々に増えていく状態を表す用語はどれか。
プロジェクトに影響を与える、又はプロジェクトから影響を受ける個人・組織を何というか。