体系学習
経営戦略とマーケティングを分析から施策までつなぐ
SWOT、VRIO、3C、PPM、成長マトリクス、4P/4C、RFM、価格・Webマーケティングを整理し、FEではSTPやCX・サービスデザインまで深掘りする。
対象資格:ITパスポート / 基本情報技術者試験
目安時間:35分
このページで理解できること
- SWOT、VRIO、3Cの分析対象を区別できる
- PPMとアンゾフの成長マトリクスの目的を区別できる
- 4Pと4Cを企業側・顧客側の視点として説明できる
- RFMとプロダクトライフサイクルを施策選択に結び付けられる
- SEOと代表的な価格戦略を区別できる
- FEではSTPと競争戦略を説明できる
- FEではCX・サービスデザインとWebマーケティング評価を説明できる
ITパスポート:代表的な経営情報分析手法とマーケティングの基本、4P/4C、RFM、成長マトリクス、価格設定、Webマーケティングを目的から区別できる状態を目標にする。
基本情報技術者試験:ITパスポート範囲に加え、競争戦略、バリューチェーン、STP、市場調査、製品・価格・流通・プロモーション戦略、CX・サービスデザインを関連付ける。
経営戦略とマーケティングは、フレームワーク名を暗記するだけでは使い分けにくい分野です。まず環境を分析し、狙う市場と顧客を選び、提供価値と施策を決め、結果を測るという流れを作ると、SWOT・3C・4P・STPなどの位置付けが整理できます。
まずは分析から施策までの流れ
分析手法を暗記するのではなく、戦略を決めて顧客へ価値を届ける流れのどこで使うかを整理します。
外部・内部環境を分析する
市場、顧客、競合、自社の強み・弱みや経営資源を把握します。
戦う市場と顧客を決める
顧客を分け、狙う対象を選び、自社の位置付けを明確にします。
提供価値と成長方向を決める
競争優位、コアコンピタンス、製品・市場の成長方向を考えます。
マーケティング施策へ落とす
製品、価格、流通、プロモーションを組み合わせます。
顧客データを活用する
RFM、CX、カスタマージャーニーなどで顧客行動を理解します。
結果を測定して改善する
Web指標やA/Bテストなどを使い、施策の効果を評価します。
1. SWOT・VRIO・3Cは見る対象が違う
外部環境と内部環境、経営資源、顧客・競合・自社をそれぞれ別の角度から分析します。
SWOT分析は、内部環境のStrength(強み)・Weakness(弱み)と、外部環境のOpportunity(機会)・Threat(脅威)を整理します。分析結果を組み合わせ、戦略案を考える材料にします。
VRIO分析は、自社の経営資源をValue(経済的価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣困難性)、Organization(組織)の観点で評価し、競争優位につながる資源かを考えます。
3C分析はCustomer(顧客・市場)、Competitor(競合)、Company(自社)の三つを分析し、市場機会と自社の戦い方を考えます。
分析は意思決定の材料です。どの市場で、どの強みを使い、どんな価値を提供するかへ結び付けます。
| 手法 | 主な視点 |
|---|---|
| SWOT | 内部の強み・弱み、外部の機会・脅威 |
| VRIO | 自社の経営資源 |
| 3C | 顧客・競合・自社 |
2. PPMと成長マトリクスは資源配分と成長方向を考える
既存事業をどう配分するか、新しい製品・市場へどう広げるかは別の問いです。
PPM(Product Portfolio Management)は、複数の事業や製品を市場成長率と相対的市場シェアなどの軸で整理し、経営資源の配分を考える代表的な手法です。
アンゾフの成長マトリクスは、製品と市場をそれぞれ既存・新規に分け、市場浸透、市場開拓、製品開発、多角化という成長方向を整理します。
PPMは現在の事業ポートフォリオへの資源配分、成長マトリクスは製品・市場の成長方向という違いで整理します。
| 市場 | 製品 | 戦略 |
|---|---|---|
| 既存 | 既存 | 市場浸透 |
| 新規 | 既存 | 市場開拓 |
| 既存 | 新規 | 製品開発 |
| 新規 | 新規 | 多角化 |
3. 競争優位は顧客に選ばれる理由を作る
自社の強みを、顧客にとって意味のある価値へ変えることが必要です。
競争優位とは、競合と比べて顧客から選ばれやすくなる優れた条件や能力を持つ状態です。価格だけでなく、品質、ブランド、技術、流通、サービスなども源泉になります。
コアコンピタンスは、競合が容易に模倣しにくく、複数の製品や市場で価値を生み出せる中核的な能力として整理します。
バリューチェーン分析では、購買、製造、物流、販売、サービスなど価値を生み出す一連の活動を見て、どこで強みやコスト優位を作れるかを分析します。
FEでは競争戦略として、コストリーダーシップ、差別化、集中という基本戦略も関連付けて理解します。
4. 4Pは企業側、4Cは顧客側からマーケティングを捉える
同じ施策を、売る側と買う側の視点で見直します。
4PはProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の組合せでマーケティング施策を整理します。
4CはCustomer Value(顧客価値)、Cost(顧客が負担するコスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)として顧客側から捉えます。
例えば便利な購入チャネルを増やす施策は、企業側ではPlace、顧客側ではConvenienceの観点で考えられます。
一つの要素だけでなく、狙う顧客と提供価値に合わせて複数要素の整合を取ります。
| 4P | 対応して考えやすい4C |
|---|---|
| Product | Customer Value |
| Price | Cost |
| Place | Convenience |
| Promotion | Communication |
5. 顧客行動と製品の段階を見て施策を変える
すべての顧客・すべての製品へ同じ施策を行うとは限りません。
RFM分析では、Recency(最終購買日)、Frequency(購買頻度)、Monetary(累計購買金額)を使って顧客を分析します。
CX(Customer Experience)は、顧客が企業・製品・サービスとのさまざまな接点で得る体験全体を捉える考え方です。
カスタマージャーニーマップは、認知、比較、購入、利用、継続などの過程で顧客がどのような行動・感情・接点を持つかを可視化します。
プロダクトライフサイクルでは、導入期、成長期、成熟期、衰退期などの段階に応じて施策の重点を変えます。
6. Web施策と価格戦略は目的から選ぶ
検索流入を増やす施策と、価格で市場へ浸透する施策は別です。
SEOは検索エンジンからの自然検索流入を得やすくするために、コンテンツやサイト構造などを最適化する考え方です。リスティング広告とは区別します。
スキミングプライシングは導入初期に高めの価格を設定し、支払意思の高い層から利益を確保する考え方です。
ペネトレーションプライシングは低めの価格などで市場へ早く浸透し、シェア獲得を狙います。
ダイナミックプライシングは需要、供給、時期などに応じて価格を変動させる方式です。
ITパスポートではここまでを確実に
- SWOTの強み・弱みが内部環境、機会・脅威が外部環境であることを説明できる
- 3CとVRIOの分析対象を区別できる
- PPMとアンゾフの成長マトリクスの目的を区別できる
- 4Pと4Cの対応を説明できる
- RFMのR・F・Mを説明できる
- プロダクトライフサイクルの代表的な段階を説明できる
- SEO、スキミング、ペネトレーション、ダイナミックプライシングを目的から区別できる
FE深掘り
7. FEではSTPと市場調査を戦略の前段階として整理する
顧客を分け、狙う対象を選び、競合との違いを明確にします。
STPでは、Segmentationで市場を意味のある顧客群へ分け、Targetingで狙うセグメントを選び、Positioningで競合と比較した自社の位置付けを明確にします。
セグメンテーションでは属性だけでなく、行動、価値観、利用状況など目的に応じた軸を使います。細かく分けること自体が目的ではありません。
市場調査では、質問法、観察法、実験法などから目的に合う手法を選びます。調査対象の選び方が偏ると、市場全体へ一般化しにくくなります。
FEではコンジョイント分析、バリュープロポジション、ブランドアイデンティティなども関連用語として扱います。
FE深掘り
8. FEでは製品・価格・流通・プロモーション戦略を具体化する
4Pを、実際の戦略選択へ落とし込みます。
製品戦略ではプロダクトライフサイクル、製品ライン、製品ポートフォリオ、ブランド、コモディティ化やカニバリゼーションなどを考えます。
価格戦略では、バリュープライシング、スキミング、ペネトレーション、ダイナミックプライシング、コストプラス法、サブスクリプションモデルなどを目的に応じて選びます。
流通戦略ではチャネルを設計し、オムニチャネルなどで店舗、Web、アプリなど複数接点を連携させます。
プロモーションでは広告、販売促進、パブリシティなどを使い分け、WebではSEO、LPO、CVR、アフィリエイト、A/Bテストなども評価・改善へ利用します。
FE深掘り
9. FEではCXとサービスデザインまで広げる
一つの画面だけでなく、顧客が価値を受け取る仕組み全体を設計します。
CXデザインでは、顧客が企業・製品・サービスとのすべての接点で得る体験を考えます。継続利用や顧客ロイヤルティなども重要です。
サービスデザインでは、顧客から見える接点だけでなく、その体験を継続的に提供するための組織、業務、システム、従業員の活動まで含めて設計します。
サービスブループリントは、顧客の行動と、顧客から見えるフロント側、見えないバック側の活動などを関連付けて可視化します。
カスタマージャーニーが主に顧客体験の流れを見るのに対し、サービスブループリントは提供側の仕組みまで関連付ける点が重要です。
基本情報ではここまでつなげる
- コストリーダーシップ・差別化・集中戦略を競争戦略として整理できる
- SWOT・VRIO・バリューチェーン・3Cの目的を区別できる
- STPのSegmentation・Targeting・Positioningを順序と役割で説明できる
- 市場調査の質問法・観察法・実験法の基本を説明できる
- 製品・価格・流通・プロモーション戦略を4Pと関連付けられる
- SEO・LPO・CVR・A/BテストをWebマーケティングの改善と結び付けられる
- CXデザインとサービスデザイン、カスタマージャーニーとサービスブループリントの関係を説明できる
最後に「分析→選択→施策→評価」へ戻す
- SWOT・VRIO・3Cで環境と自社を分析する
- PPMや成長マトリクスで資源配分と成長方向を考える
- 顧客に選ばれる競争優位を明確にする
- 4P/4Cで施策を組み合わせる
- RFM、CX、カスタマージャーニーで顧客を理解する
- FEではSTP、価格・流通・プロモーション戦略を具体化する
- Web指標やA/Bテストで結果を測定し改善する
経営戦略とマーケティングは、『何を分析する手法か』『どの意思決定に使うか』を先に決めると、似たフレームワークを混同しにくくなります。