体系学習
会社で使われるシステムをまとめて理解する
ERP、CRM、SFA、SCM、POSを『会社全体・顧客・営業・供給網・販売時点』という管理対象から整理する。
対象資格:ITパスポート / 基本情報技術者試験
目安時間:15分
このページで理解できること
- ERP・CRM・SFA・SCM・POSを管理対象から区別できる
- CRMとSFAの違いを説明できる
- SCMが供給連鎖全体を見る理由を説明できる
- POSデータの活用例を説明できる
ITパスポート:ERP・CRM・SFA・SCM・POSの目的と違いを、管理対象から見分けられる状態を目標にする。
企業では、目的の違う多くの情報システムが使われています。ERP、CRM、SFA、SCM、POSを名前だけで暗記すると混同しやすいため、『会社全体』『顧客』『営業』『供給網』『販売現場』という管理対象から整理します。
まずは会社の活動に当てはめる
企業活動のどこを支えるシステムかで整理します。
会社全体の資源を統合する
ERPは会計、人事、生産、販売など企業全体の基幹業務を統合的に管理する考え方・システムです。
顧客との関係を管理する
CRMは顧客情報や接点を蓄積し、顧客との長期的な関係を改善するために活用します。
営業活動を支援する
SFAは案件、商談、訪問履歴、進捗など営業活動を管理・支援します。
供給の流れを最適化する
SCMは調達、生産、在庫、物流、販売など供給連鎖全体を見て最適化します。
販売時点の情報を集める
POSは店舗などで販売時点の情報を記録し、売上・在庫・商品分析などに利用します。
1. ERPは「会社全体」を見る
部門ごとに分断された情報を統合し、企業資源を一体的に管理します。
ERPはEnterprise Resource Planningの略で、企業全体の経営資源を統合的に管理し、業務全体の効率化や情報共有を支える考え方です。
ERPパッケージでは、会計、人事、販売、生産、在庫など複数の基幹業務を共通の仕組みで扱うことがあります。
販売管理は、受注・出荷・売上・請求など販売に関する一連の業務を管理する仕組みです。在庫管理や会計と連携することが多く、ERPではこうした複数の基幹業務を統合して扱う場合があります。
ERPのポイントは、特定の営業担当者や顧客だけを見るのではなく、会社全体の基幹業務を横断して扱う点です。
2. CRMは「顧客」、SFAは「営業活動」に焦点を当てる
近い分野ですが、見る対象の中心が異なります。
CRMはCustomer Relationship Managementの略で、顧客情報や購買履歴、問い合わせ履歴などを活用し、顧客との関係を維持・向上させるための考え方・仕組みです。
SFAはSales Force Automationの略で、商談状況、案件進捗、営業活動履歴、見込み顧客などを管理し、営業活動を支援します。
SFAの情報がCRMへ蓄積されるなど、実際の製品では機能が重なることがあります。試験では『顧客関係全体ならCRM』『営業活動の管理・支援ならSFA』と目的から判断します。
| 仕組み | 中心となる対象 | 代表的な用途 |
|---|---|---|
| CRM | 顧客との関係 | 顧客情報、購買・問い合わせ履歴、顧客分析 |
| SFA | 営業活動 | 案件、商談、訪問、進捗、営業支援 |
3. SCMは「供給網全体」を見る
自社の在庫だけでなく、調達から販売までをつなげて考えます。
SCMはSupply Chain Managementの略で、原材料の調達、生産、在庫、物流、販売までの供給連鎖を全体として管理・最適化する考え方です。
部門や企業ごとに個別最適を行うだけでは、過剰在庫や欠品、納期遅延が発生することがあります。SCMでは需要や在庫などの情報を共有し、全体最適を目指します。
『物流だけ』ではなく、仕入先から顧客へ届くまでの一連の流れが対象である点が重要です。
4. POSは「いつ・何が・どれだけ売れたか」を販売時点で記録する
販売データを集め、店舗運営や在庫管理などへ活用します。
POSはPoint of Saleの略で、商品が販売された時点の情報を記録・収集する仕組みです。
商品、数量、時刻、店舗などの販売データを分析することで、売れ筋商品の把握、在庫補充、品ぞろえ、販売計画などに活用できます。
POSは販売現場のデータを取得する仕組みであり、ERPやSCMなど別のシステムへデータを連携することもあります。
ITパスポートではここまでを確実に
- ERP=会社全体の基幹業務・経営資源を統合
- CRM=顧客との関係を管理
- SFA=営業活動を管理・支援
- SCM=調達から販売までの供給連鎖を管理
- POS=販売時点情報を収集
- 実際の製品では機能が重なる場合があることを理解している
最後に一画面で見分ける
- 会社全体? → ERP
- 顧客? → CRM
- 営業? → SFA
- 供給網? → SCM
- 販売時点? → POS
略語を丸暗記するより、『何を管理するための仕組みか』を一語で対応付けると、選択肢から判断しやすくなります。